マラソンのレース中やトレーニング中に給水をとったあと、急に胃が痛くなったりポチャポチャと不快な音がして走れなくなったりした経験はありませんか。
せっかく順調にペースを刻んでいたのに、胃の不快感や痛みのせいで足が止まってしまうのは本当にもったいないですし、悔しいですよね。
マラソンでの給水と胃トラブルの関係には、一度に飲む水分量やドリンクの温度、走る振動による負担など、明確な理由が隠されています。
この記事では、走っている最中に起きる胃痛や胃もたれの主な原因から、レース中でも実践できる具体的な対処法、胃に優しい補給のテクニックまでを詳しくお届けします。
しっかり対策と準備を整えて、最後まで気持ちよく走り切りましょう。
- マラソンの給水時に胃が痛くなる主な原因とメカニズム
- 胃もたれやポチャポチャ感を防ぐためのドリンク選びと飲み方
- レース中に胃痛や違和感が発生した際の適切な対処法
- 普段のトレーニングから実践できる内臓疲労の予防法
マラソンの給水で胃が痛くなる原因と対処法
マラソン中に訪れる胃の不快感や痛みは、多くのランナーが直面する大きな悩みの一つです。ここでは、なぜ給水後に胃が荒れたり痛んだりするのか、その根本的なメカニズムと具体的な対処法について解説していきます。
走ると胃がポチャポチャ揺れる理由
ランニング中に胃の中で水が跳ねて「ポチャポチャ」と音が鳴る現象は、摂取した水分が消化されずに胃の中に滞留していることが原因です。
通常、飲み込んだ水分は胃を通過して十二指腸や小腸へと移動し、そこで体内に吸収されます。しかし、マラソンのような激しい全身運動を続けていると、身体は働く筋肉へと優先的に血液を送り込もうとします。
その結果、胃や腸などの消化器官へ送られる血流量が大幅に低下し、消化・吸収能力が一時的に著しく低下してしまうのです。吸収スピードが落ちた状態で着地衝撃の振動が加わると、胃の中に残った水分が揺れ動いて不快な音や圧迫感を引き起こします。
この状態を放置して走り続けると、胃粘膜が過度に刺激されて激しい胃痛や吐き気へと悪化するリスクが高まります。胃の揺れを感じたら、まずは水分の吸収能力が落ちているシグナルだと捉えましょう。

一度の給水でガブ飲みするのはNG
喉が乾いたからといって、給水所でコップ1杯分のドリンクを一気にガブ飲みするのは非常に危険です。
一度に大量の液体が胃に流れ込むと、急激な重量変化と膨満感によって胃壁が大きく引き引き伸ばされます。これにより胃の自律神経が乱れ、急激な収縮運動を起こして痛みを誘発することがあります。
さらに、一気に飲んだ水分はそのまま胃の中に溜まりやすく、先ほど触れたポチャポチャ感や腹痛の直接的な引き金になります。給水所が見えるとついつい安心感からたくさん飲みたくなりますが、一回の摂取量は少量に抑えるのが鉄則です。
注意:
一度に多量の水分を摂取すると、胃への物理的ダメージだけでなく、血中のナトリウム濃度が下がって起きる「低ナトリウム血症」のリスクも高まります。喉の渇きに任せたガブ飲みは絶対に避けましょう。
冷たすぎるドリンクが胃腸を刺激する
真夏や気温の高い日のレースでは、キンキンに冷えたドリンクがとても魅力的で美味しく感じられます。しかし、冷たすぎる水分は弱っている胃腸にとって強烈な刺激物となってしまいます。
冷水が胃に入ると、胃の周辺の血管がキュッと収縮して血行がさらに悪化します。血行不良に陥った胃は運動機能を低下させ、痙攣(けいれん)のような痛みを発生させることがあります。
レース中の給水所では冷えたドリンクが提供されることも多いですが、可能であれば口の中で少し温めてから飲み込むか、冷たすぎない常温に近い水分を選ぶのが胃腸を守るコツです。

胃もたれを起こしやすいドリンクの種類
給水で選ぶドリンクの種類によっても、胃への負担は大きく変わります。
例えば、糖質濃度が非常に高いスポーツドリンクや、クエン酸などの酸味が強すぎる飲料は、胃酸の分泌を過剰にして胃粘膜を傷つける可能性があります。特に高濃度エナジージェルを水なしで飲むと、胃の中の浸透圧が跳ね上がり、消化に膨大なエネルギーと時間を要することになります。
一方で、単なる「水」だけを大量に飲んでいると、体内の電解質バランスが崩れて消化管の動きが止まってしまうこともあります。自分の体質に合った糖質濃度(5%前後が目安)のドリンクを選ぶか、ジェルを摂取する際は必ず水とセットで補給することを意識してください。

胃痛が起きたときに走るペースの落とし方
走っている最中に胃がキリキリと痛み出したら、無理をして元のペースを維持しようとしてはいけません。即座にペースダウンを行い、全身の筋肉への負荷を減らす必要があります。
ペースをキロ30秒〜1分ほど落とすか、状況によっては思い切って早歩きのウォーキングに切り替えましょう。走る運動強度を下げることで、筋肉に集中していた血液が再び胃腸などの内臓へと戻り始めます。

内臓の血流が回復すれば、胃に溜まっていた水分の消化・吸収が再開され、数分から数十分で痛みが落ち着いてくるケースが多いです。焦らず深呼吸を繰り返しながら、胃が楽になるのを待ちましょう。
マラソン大会前日にできる胃腸の整え方
レース当日の胃トラブルを防ぐためには、大会前日の過ごし方と食事管理が極めて重要です。
前日の夕食では、消化に時間のかかる高脂質な食べ物(揚げ物、肉の脂身、生クリームなど)や、食物繊維が多すぎる野菜類、辛いスパイスなどの刺激物は控えましょう。炭水化物を中心とした消化に良いうどんや白米を選び、腹八分目を心がけるのがベストです。
前日のおすすめ食事例:素うどん、親子丼(脂質控えめ)、お雑煮、白米と蒸し鶏など。胃に負担をかけないシンプルな和食メニューが最も安全です。

アルコールやカフェインの過剰摂取も胃粘膜を荒らす原因になります。前夜はしっかり睡眠をとり、胃腸を休ませた状態で当日を迎えましょう。
マラソン中の給水で胃を守る正しい摂取テク
ここからは、レース本番で胃を痛めずに効率よく水分とエネルギーを補給するための具体的なテクニックについて解説します。日頃のトレーニングから意識して取り入れることで、本番での再現性がグッと高まります。
補給の頻度は15分から20分ごとが理想

胃に負担をかけず、かつ脱水症状を防ぐためには、チビチビとした「こまめな給水」が欠かせません。具体的なタイミングとしては、15分から20分に1回のペースで給水を行うのが最も効果的です。
一度に大量に飲むのではなく、一口から二口程度(約50ml〜100ml)の少量を一定の間隔で補給し続けることで、胃の中の水分量を常に適正に保つことができます。
コース上の給水所の間隔に合わせて、毎回すべてで一口ずつ口を湿らせるようなイメージで給水を行うと、胃が重くなるのを完璧に防ぐことができます。
口に含んで少しずつ飲むポイント
給水所でコップを受け取ったら、焦ってそのまま飲み込まず、まずは一度口の中に含んで整えるテクニックを覚えましょう。
コップの飲み口を潰して細くし、少しずつ口に流し込みます。口内に含んだ水分を唾液と混ぜ合わせるようにしてからゆっくり飲み込むことで、ドリンクの温度が体温に近づき、冷たさによる胃へのショックを緩和できます。
また、走りながら飲み込む際に一緒に空気を吸い込んでしまうと、胃の中にガスが溜まって痛みの原因になります。呼吸のリズムを整え、息を吐いたタイミングで落ち着いて飲み込むのがコツです。

胃に負担をかけない補給食の組み合わせ
長距離を走り抜くための補給食(エナジージェル等)も、摂り方を間違えると胃もたれの大きな要因になります。
超ドロッとした高濃度のジェルは、そのまま飲むと胃の中の水分を過剰に吸い寄せてしまい、消化不良を起こします。補給食を摂る際は、必ず「水」と一緒に摂取するようにしてください。
| 補給食のタイプ | 胃への負担 | おすすめの摂取方法 |
|---|---|---|
| 高濃度ジェル | やや高い | 必ず給水所の水(100ml程度)と同時に飲む |
| 固形物(羊羹・クッキー) | 高い | レース前半(20km未満)の胃が元気なうちに摂取 |
| サラサラ系リキッド | 低い | 後半の胃が疲れてきた時間帯に少しずつ摂る |
胃の疲労度が低いレース前半に固形物や高カロリーなものを摂り、胃が弱ってくる後半はサラサラとしたリキッドタイプに切り替えるなど、段階的な工夫が効果的です。

経口補水液やスポーツドリンクの選び方
給水で使うドリンクは、体液の浸透圧に近い「アイソトニック飲料」や、体液よりやや低い浸透圧で作られている「ハイポトニック飲料」を選ぶのが理想的です。
市販の一般的なスポーツドリンクは糖分がやや高く、運動中の胃には重すぎることがあります。その場合は、水で少し薄めて飲むか、最初から吸収スピードに優れたハイポトニック飲料や経口補水液を利用することをおすすめします。
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自分の胃に合うドリンクを見つけるために、事前の試走や試走会で実際に飲んで走り、胃の反応を確認しておくことが大切です。
内臓疲労を軽減するランニングフォーム
意外に知られていませんが、ランニングフォームの乱れも胃の負担に直結しています。猫背になったり腰が落ちたりしたフォームで走っていると、腹腔(ふくくう)が圧迫されて胃腸が物理的に潰された状態になります。
圧迫された状態の胃に水分や補給食が入ると、通常以上に消化運動が阻害され、痛みや吐き気が発生しやすくなります。
骨盤をしっかりと立て、背筋を伸ばして胸を開くフォームを意識しましょう。体幹を安定させて上体をリラックスさせることで、内臓への圧迫と着地衝撃の双方を大幅に和らげることができます。

マラソンでの給水と胃のトラブル予防まとめ
マラソンにおける給水と胃のトラブルは、メカニズムを正しく理解して適切なアプローチをとることで、十分に防ぐことができる悩みです。
一度にたくさん飲まないこと、冷たすぎる飲料を避けること、そして15〜20分おきに少量を口に含むという基本ルールを徹底しましょう。
万が一レース中に胃が痛くなってしまっても、焦らずペースを落として内臓の血流回復を待てば復活のチャンスは十分にあります。日頃の練習から自分の胃の癖を知り、しっかりリカバリー対策を整えて目標のゴールを目指してくださいね。
マラソン 給水 胃に関するよくある質問(FAQ)
Q1:レース中に胃が痛くなってしまった場合、市販の胃薬を飲んでも大丈夫ですか?
A1:応急処置として胃薬を服用すること自体は不可能ではありませんが、走っている最中は薬の成分吸収も低下しています。また、鎮痛剤などはかえって胃粘膜を荒らす危険性もあるため注意が必要です。まずはペースを落とし、水で胃を休めることを優先してください。服用する場合は事前の練習で試すことを強くおすすめします。
Q2:給水所で提供されるスポーツドリンクが甘すぎて胃が気持ち悪くなります。どうすればいいですか?
A2:スポーツドリンクの糖分が濃すぎると感じる場合は、給水所で「水」と「スポーツドリンク」の両方を受け取り、口内で混ぜて薄めるか、交互に飲む方法が有効です。マイボトルが許可されている大会であれば、あらかじめ自分に合わせて薄めたドリンクを持参するのも良い方法です。
Q3:胃の痛みを予防するために、走る直前の食事で気をつけることはありますか?
A3:スタートの2〜3時間前までに食事を済ませるのが鉄則です。直前に食べると消化が終わらないまま走ることになり、激しい胃痛を引き起こします。また、乳製品や脂肪分の多い食事は消化に時間がかかるため、当日の朝食からは外すのが無難です。
Q4:普段の練習から胃腸を強くするための内臓トレーニングはありますか?
A4:特別な筋トレというよりは、普段のロングラン(20km〜30km走)の際にも本番と同じドリンクやジェルを試しに摂取し、「走りながら消化する」ことに内臓を慣れさせていくことが一番のトレーニングになります。
Q5:症状が重く、走った後も激しい胃痛や嘔吐が続く場合はどうすべきですか?
A5:激しい内臓疲労や脱水、熱中症が疑われます。無理に水分や食べ物を摂ろうとせず、まずは安静にしてください。症状が改善しない場合や血液の混ざった吐瀉物がある場合は、自己判断せず速やかに医療機関を受診してください。
※本記事で紹介している数値データや対処法は、あくまで一般的な目安となります。個人の体質や体調によって効果には差がありますのでご了承ください。身体に強い異常や激しい痛みが続く場合は無理をせず、医師や専門家へご相談いただくようお願いいたします。
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