あぁ、あの時の足が止まる感覚、胃がひっくり返りそうな不快感……。わたしも経験者だから、マラソン中に「ガス欠」を起こしてシャリバテになった時の絶望感、痛いほどよくわかりますよ。
シャリバテとは、体内のエネルギー(糖質)が枯渇し、極度の脱力感や疲労、めまいなどを引き起こす「ガス欠(低血糖)」状態のことです。
練習ではあんなに順調だったのに、本番の途中で急に身体がピタッと動かなくなるって、本当に辛いんですよね。メンタル的にも大ダメージを受けて、「二度とあんな思いはしたくない!」って、強く心に誓った人も多いんじゃないでしょうか。
今回は、そんなトラウマを抱えるあなたにこそ伝えたい、マラソン当日の朝食からレース中の補給食まで、ガス欠を完全に回避するための具体的な計画を、わたしの経験も交えながら徹底的に解説していきますね。この記事を読めば、もう後半の失速に怯える必要はなくなりますよ!
あの日の「ガス欠」もう繰り返さない!マラソン当日の朝食戦略

マラソンで一度でもシャリバテを経験すると、「次のレースは絶対に失敗したくない」という気持ちがめちゃくちゃ強くなりますよね。その不安をきれいに解消するために、まずは基本的なエネルギー補給の考え方と、胃に優しくしっかりエネルギーになる朝食の基本から一緒に見ていきましょう。
わたしも実はかなり胃腸が弱い方なので、当日の朝に何を胃に入れるかには、毎年人一倍気をつけているポイントなんです。
シャリバテの恐怖、僕も経験者だからわかる

マラソンでの「シャリバテ」は、運動中に体のエネルギー源であるグリーコーゲン(糖質)が完全に枯渇してしまう状態を指します。いわゆる「ガソリンが空っぽになった車」と同じ状態ですね。
わたしも初フルマラソンの時、30kmを過ぎたあたりで見事にこれを経験しました。それまではサブ4ペースで快調に飛ばしていたのに、ある一歩を境に、急に足が1ミリも前に出なくなるんです。頭の中が真っ白になって、「あれ? このままじゃ歩くことすらできない? 嘘でしょ……」と本気で涙目になりました。
あの時の身体の動かなさと、「もうどうしようもない」という精神的な絶望感は、走り始めた頃のわたしには本当に衝撃的でしたね。だからこそ、当日の朝食とレース中の補給がどれだけランナーの命運を分けるか、身をもって知っています。根性論ではどうにもならないのが、このエネルギー枯渇の恐ろしさなんですよね。
胃に優しく、エネルギーになる朝食の基本

マラソン当日の朝食で最も大切なのは、「消化が良く、血糖値を急激に上げすぎず、持続的にエネルギーを供給できるもの」を厳選して食べることです。
レース直前に良かれと思ってたくさん食べたり、胃腸に負担をかけるものを摂取したりすると、走り出してからの激しい腹痛や、強烈な気持ち悪さにつながりかねません。
たとえば、脂っこいもの(唐揚げやデニッシュパンなど)や、健康に良さそうなイメージのある食物繊維が多いもの(生野菜や玄米など)、そして乳製品(牛乳やヨーグルトなど)は、消化に時間がかかったり、走っている最中にお腹を壊してトイレに駆け込む原因になることがあるので、レース当日の朝は避けるのが賢明です。
徹底的に「油分を排除し、水分を含んだ炭水化物を中心にする」のが、胃腸を労りつつエネルギーを満タンにするための大鉄則かなと思います。
レース当日は、食べ慣れないものや、前日にコンビニで「美味しそうだから買ってみた」みたいな衝動的な食事は避けてくださいね。いつも食べているもので、体調を崩さないと分かっているものが一番安心です。
マラソン本番、朝食は何を食べる?鉄板メニューと選び方

さて、具体的にどんなものがマラソン当日の朝食として最適なのか、わたしが何年も試行錯誤してたどり着き、今では自信を持っておすすめする「鉄板メニュー」とその選び方をご紹介しましょう。
どれも特別なものではなく、コンビニやスーパーで手軽に手に入るものばかりだから、遠征先のホテルに泊まっている人でも安心して準備できますよ。
消化吸収の優等生!カステラと切り餅の魅力
わたしの経験上、マラソン当日の朝食で「もうこれ一択!」と言い切れるほど優秀で大好きなのが、カステラと切り餅です。この2つはランナーにとって本当に神食材なんですよね。
最強のツートップ!カステラと切り餅のメリット

- カステラ:
卵と砂糖、小麦粉というシンプルな素材で作られているため、脂質がほとんどなく、糖質が豊富で消化吸収が抜群に早いのが特徴です。しっとりしているので緊張で口がパサついている朝でも喉に通りやすく、水分と一緒に摂りやすいのも大きなポイント。個包装のものを選べば、手軽にカロリー計算ができますし、会場に向かう電車の中や移動中にパクッと食べることもできちゃいます。 - 切り餅:
お餅は普通のご飯(うるち米)よりも、さらに効率よくエネルギーに変わる「もち米」でできていて、まさに炭水化物の塊です。しかも、ギュッと凝縮されているので少量で高カロリーを摂取でき、消化吸収が比較的緩やかなので、レース中のエネルギーが長持ちしやすいんです。焼いたり、電子レンジで温めて醤油をつけたり、きなこをまぶしたりと、アレンジも自由自在。ちなみにわたしは、シンプルにトースターで焼いて、軽く醤油をつけて海苔を巻かずに食べるのが定番のスタイルですね。
どちらもエネルギー源として申し分なく、胃腸への負担も最小限に抑えられるので、本番前のロング走の練習段階から朝食に取り入れてみて、自分の体に合うかどうか確認しておくと、当日の安心感が違いますよ。
プラスαでエネルギー補給!バナナやゼリーも賢く取り入れる

カステラやお餅だけではちょっと物足りないなとか、食欲があまり出ないけれどもう少しエネルギーを上乗せしておきたい、という場合は、これらのアイテムをプラスしてみてください。
- バナナ:
手軽に皮を剥くだけで食べられて、素早くエネルギーになる糖質と、レース中の足攣り(筋肉の痙攣)を予防してくれるカリウムが豊富に含まれています。消化も非常に良く、スタート直前でも比較的安心して胃に入れられるのが魅力ですね。わたしもよく、会場の荷物預けを済ませた後に1本食べて、エネルギー補給と同時に「よし、行くぞ」と気持ちを落ち着かせています。
- エネルギーゼリー:
素早くエネルギーを補給したいときに最適。固形物がどうしても喉を通らない極度の緊張状態のときや、時間がなくてしっかりとした食事が摂るのが難しい時にも重宝します。最近はビタミンやクエン酸が入ったものなど様々な種類があるので、事前に味や成分を比較して、自分の胃が受け付けやすいお気に入りを見つけておくのがおすすめです。
これらを組み合わせて、自分にとってベストな朝食を見つけてみてください。大事なのは「食べ慣れている」ことと「胃腸の調子が悪くならない」ことです。
時間逆算がカギ!スタート時刻から考える食事タイミング

マラソン当日、何を食べるかと同じくらい、いや、それ以上に重要なのが「いつ食べるか」というタイミングです。
いくら良いものを食べても、消化しきれていない状態で走り出したら100%脇腹が痛くなったり胃もたれしたりします。スタート時刻から逆算して食事のタイミングを完璧に計画することが、シャリバテ回避の最重要ポイントになりますよ。
胃もたれ知らず!スタート3時間前、2時間前、直前のルール

僕が実践している、スタート時刻を基準にした食事のタイミングはこんな感じです。
| タイミング | 摂取するものの具体例 | 補給の狙いとポイント |
|---|---|---|
| スタート3時間前まで | 切り餅、カステラ、おにぎり、うどんなど | メインの朝食。しっかりと体内にエネルギーを貯め込む時間。消化に優しい炭水化物を中心に満腹にならない程度に摂る。 |
| スタート2時間〜90分前 | バナナ半分、エネルギーゼリー、少量のおにぎり | 軽い補給。この頃にはメインの食事が落ち着いてくるので、トップアップ(微調整)として少しだけ血糖値を補うイメージ。 |
| スタート30分〜15分前 | エネルギーゼリー(高濃度なもの)、アミノ酸パウダー、水 | 最終調整。胃に負担をかけない液体やジェルで、直前のエネルギーチャージと喉を潤す程度の水分補給を済ませる。 |
※この表は横にスクロールできます。
これはあくまで目安ですが、この時間配分を頭に入れてタイムスケジュールを組んでおくと、胃腸の負担を最小限に抑えつつ、スタートラインに立った瞬間に最大限のエネルギーが筋肉に満ち溢れている状態を作ることができます。当日の朝はバタバタしがちなので、アラームをかけて計画的に動きましょうね。
RUN蔵流「時間逆算シート」で補給計画を立てよう

具体的なスタート時刻に合わせて、自分の補給計画を立ててみましょう。紙に書き出すだけでも、かなり安心感が違いますよ。
| 時間帯 | 内容 | 何を食べる? | ポイント |
|---|---|---|---|
| スタート5~4時間前 | 起床・身支度 | 水200ml程度 | 体を起こし、軽く水分補給 |
| スタート3時間前 | メイン朝食 | カステラ2切れ or 切り餅2個 +水200ml | 消化に優しい炭水化物をしっかり摂る |
| スタート2時間前 | 軽い補給 | バナナ半分 or エネルギーゼリー1個 +水100ml | 消化の負担を考慮し、少量のエネルギー追加 |
| スタート1時間前 | 会場入り・準備 | 水100ml | 直前の水分補給 |
| スタート30分前 | 最終エネルギーチャージ | エネルギーゼリー1個 | 胃に負担をかけず、即効性のあるエネルギー補給 |
| スタート直前 | 余裕があればアミノ酸飲料など |
このシートを参考に、自分のスタート時刻や、移動時間に合わせて調整してみてください。何回か練習で試してみて、最もパフォーマンスが出せるタイミングを見つけるのが理想です。
走りながらの補給食、いつ、何を摂るのが正解?

朝食でどんなに完璧にエネルギーを補給したとしても、人間の体に蓄えられるグリコーゲン(糖質)の量には限界があります。
一般的にフルマラソンを走りきるためのエネルギーには到底足りないため、走りながらの補給食(エイドステーションの活用や、自分で持参するジェル)も、後半のガス欠を避けるためには絶対に不可欠です。タイミングと種類を間違えると、かえって体調を崩すこともあるので、こちらも計画的にいきましょう。
定期的な摂取が重要!レース中の補給食戦略

レース中の補給食において、最もやってはいけないのが「お腹が空いたな」「足が重くなってきたな」と感じてから摂ることです。
その時点で、すでに体内は枯渇が始まっているので、手遅れになってしまうんですよね。体がエネルギーを欲する前に、先回りして「ちょこちょこ」定期的に与えてあげるのが基本戦略になります。
具体的なタイミングとしては、レース開始から「30分〜45分に一度」、または「10kmごと」のように距離や時間でルールを決めて、意識的に補給しましょう。
大会の給水所(エイド)の少し手前でポケットから持参した補給食を取り出して口に含み、給水所の水で一気に流し込むようにすると、喉が詰まらなくて効率的ですよ。補給する種類は、携帯しやすくて高カロリーなエネルギーゼリー(ジェル)がメインになります。
さらに、アミノ酸系のサプリメントや、汗で失われる塩分を補うための梅干し、塩タブレットなどでミネラル補給も絶対に忘れないでください。
おにぎりなどの固形物は、噛むこと自体が体力を消耗しますし、後半は胃の消化機能が著しく低下するので、よほど食べ慣れている人以外はジェルに絞った方が無難かなと思います。
最初のうちは「まだ全然元気だし、いらないかな?」と思うかもしれませんが、その段階での早めの補給が、30km以降のパフォーマンスを大きく左右しますよ。
直前まで粘れる!最後の砦「エネルギーゼリー」の活用術

市販されているマラソン専用のエネルギーゼリー(高濃度ジェル)は、ランナーにとってまさに「最後の砦」であり、最強の相棒です。咀嚼する必要がほとんどなく、素早く小腸で消化吸収されてエネルギーに変わるように設計されているため、過酷な状況下でも胃への負担が極めて少ないのが特徴です。
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わたしのリアルな活用術としては、レース後半の25km、32kmといった一番キツくなる手前のポイントで、カフェイン入りのジェルを投入することにしています。カフェインには中枢神経を刺激して疲労感を軽減してくれる効果があるので、意識がシャキッとして、もう一度足を前に出す元気が湧いてくるんですよね。
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最近は、各メーカーから、マグネシウム入りで足攣りを予防するものや、驚くほど高カロリーなものなど、バリエーション豊かなジェルが販売されています。ただ、海外製のものなどは味がものすごく甘かったり、独特のドロッとした食感で、本番で初めて飲むと「ウッ」と受け付けないこともあります。
必ず週末の20km走などの練習中にいくつか実際にポケットに入れて走ってみて、走りながらでも美味しく補給できて、自分の胃腸と相性が良いものを選び抜いておきましょう。
痛みなく走りきる!本番を安心して迎えるための最終準備

マラソンでシャリバテをせず、どこも痛めることなく笑顔で完走するためには、当日の補給戦略だけでなく、前日からの準備、そして何よりも「正しい知識」を身につけておくことが大切です。
客観的なデータを知ることで、独りよがりな計画ではなく、科学的に根拠のある安心感を持ってスタートラインに立つことができますよ。それが最高のパフォーマンスを引き出す秘訣です。
日本の厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」においても、私たちが効率よく運動を続けるためのエネルギー源として、炭水化物(糖質)から摂取するエネルギーの重要性が明確に示されています。
食事全体から得るエネルギーのうち、およそ50%〜65%を炭水化物から摂取することが健康的なエネルギー維持の基本とされているんです。
炭水化物エネルギー比率(%エネルギー):50以上 65未満
(出典:厚生労働省『「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書』)
つまり、普段の生活はもちろん、マラソンという極限の有酸素運動において、炭水化物をいかに正しく、戦略的に摂取して体に蓄えるかが、ガス欠を防ぐための絶対的な科学の裏付けになるわけですね。
この基準を意識して、前日からしっかりとご飯や麺類などの炭水化物を多めに摂る「カーボローディング」を意識するだけでも、当日のスタミナの持ちが格段に変わってきますよ。
今日から実践!ガス欠回避に向けた行動リスト
今回お話しした内容は、どれも次のレースに向けて今日からすぐに実践できることばかりです。ぜひ、わたしと一緒に以下のステップを一つずつクリアして、本番に向けて万全の準備をしていきましょう!
- マイ鉄板朝食の組み合わせを決定する:カステラ、切り餅、バナナ、ゼリーの中から、自分が一番「これなら美味しく食べられてお腹の調子が良い!」と思える組み合わせを固定し、普段の週末練習の朝食にそのまま取り入れてテストしてみてください。
- 当日のタイムスケジュール(逆算シート)を書き出す:本番のスタート時刻が例えば「午前9時」なら、「朝6時までに餅を食べる」「7時半にゼリー半分」といった具体的なスケジュールをスマホのメモ帳や紙に書き出し、リマインダーをセットしておきましょう。
- 本番用ゼリーを実際に使いこなす:色々なエネルギーゼリーを数種類買ってきて、長距離練習の途中で実際に走りながら開封して飲む練習をしてください。走りながらゴミをポケットにしまう一連の動作も、やってみると意外とコツがいりますよ。
これらの準備を怠らずにしっかりと行うことで、あなたは「もう、あの30km過ぎのガス欠による地獄の絶望は味わわない!」という絶対的な自信を持って、本番のスタートラインに立てるはずです。未知の領域に挑む時も、カバンの中に、そして体の中に適切な補給計画が詰まっていれば、きっと笑顔で乗り越えられるでしょう。
マラソンで42.195kmを走りきったという経験は、その後の私たちの人生を驚くほど豊かに、そしてタフにしてくれます。だからこそ、途中でエネルギー切れになって歩いてしまうような悔しい思いをせず、最高の気分で両手を広げてゴールテープを切ってほしい。そのための準備を、どうか楽しみながら進めてくださいね。応援しています!
あ、そうそう。レース当日のエネルギー補給と同じくらい、終わったあとの徹底的なリカバリーケア(プロテインの摂取や入浴、ストレッチなど)も、足の痛みを長引かせないためにはめちゃくちゃ大切なんですよね。
そのあたりについても、また改めて別の記事でじっくりと皆さんと向き合いたい大切なテーマだなと思っています。まずは次のレース、エネルギー満タンで駆け抜けましょう!
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