マラソンを楽しんでいる最中や走り終わった後に、ズキズキとした頭痛に悩まされた経験はありませんか。
せっかく楽しく走っていたのに急に頭が痛くなると、このまま走り続けていいのか不安になりますよね。
マラソンで起きる頭痛には、水分や塩分の不足、体温の上昇、首や肩の緊張など、ランナー特有の様々な原因が絡み合っています。
この記事では、走っているときやゴール後に起こる頭痛の原因と仕組み、そして今すぐ試せる対処法や予防策を分かりやすくまとめました。
正しい知識とケアを取り入れて、痛みに邪魔されることなく快適に走れる体づくりを目指していきましょう。
- マラソンで頭痛が発生する主な原因とメカニズム
- 走行中やゴール後に頭痛が起きた時の適切な対処法
- レース前や練習時に実践できる頭痛の予防テクニック
- 走った後の体をしっかり回復させる効果的なケア方法
マラソンで頭痛が起きる主な原因と症状の特徴

マラソン中や走った後に頭痛が起きると、せっかくのランニングが辛い思い出になってしまいますよね。実は、走るという行為は体全体に大きな負荷がかかるため、様々な理由で頭痛が引き起こされる可能性があります。ここでは、ランナーを悩ませる頭痛の代表的な原因と、それぞれの症状の特徴について詳しく解説していきます。
走ると頭が痛くなる運動性頭痛の仕組み

走っている最中や激しいトレーニングの直後に、頭全体が脈打つようにズキズキと痛むことがあります。これは一般的に「運動性頭痛」や「一次性労作性頭痛」と呼ばれるものです。運動によって心拍数が上がり、血流が急激に増加することが主な引き金となります。
ランニングを始めると、筋肉に酸素や栄養を運ぶために心臓が勢いよくポンプ調整を行い、全身の血液循環が活発になります。このとき、脳の血管も急激な血流量の増加に対応しようとして拡張します。周囲の神経が引き伸ばされたり刺激を受けたりすることで、脈拍に合わせるようなズキズキとした痛みが生まれるのです。
特に以下のようなシチュエーションで運動性頭痛は起こりやすくなります。
運動性頭痛が起きやすいタイミング
- ウォーミングアップ不足のまま急にペースを上げたとき
- 普段よりも高い強度や長距離を走ったとき
- 気温や湿度が高く体温が上がりやすい環境
私もランニングを始めたばかりの頃、急激にペースを上げて走った後に頭がガンガン痛くなり、一気にテンションが下がったことがあります。血管がぐっと広がる感覚は、体が急な運動に追いついていないサインでもあります。
基本的には運動を中断して安静にしていれば、血流が落ち着くにつれて症状も和らいでいきます。しかし、痛みが強い状態で無理に走ろうとすると余計に血管拡張が進み、吐き気を伴うこともあるので注意が必要です。
脱水症状や塩分不足が招く頭痛のメカニズム

マラソン中の頭痛で最も頻繁に見られるのが、体内の水分や電解質(塩分)が不足することによる脱水性の頭痛です。ランニング中は汗と一緒に大量の水分とナトリウム(塩分)が失われていきます。
体内の水分量が減ると血液の量が減少し、ドロドロとした状態に変化します。すると脳へ十分な酸素や栄養を届けることが難しくなり、脳の血管が補填しようとして変化を起こし、頭痛を引き起こすのです。
また、水分だけを過剰に補給して塩分を摂らない場合も問題が起きます。体内のナトリウム濃度が薄まることで「低ナトリウム血症」に陥り、頭重感や吐き気、疲労感が強まるケースもあります。
| 状態 | 体内での変化 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 水分不足(脱水) | 血液量が減りドロドロになる | 頭全体の鈍痛、めまい、喉の渇き |
| 塩分不足(低ナトリウム) | 体内の電解質バランスが崩れる | ズキズキする頭痛、吐き気、筋痙攣 |
喉が乾いたと感じた時点ですでに脱水は始まっています。「喉が渇く前に少しずつ飲む」という意識を持たないと、ランニング後半で急激に頭痛が襲ってくる原因になります。
熱中症の初期症状としてあらわれる頭痛

夏場のランニングはもちろんのこと、春や秋でも日差しが強い日や湿度が高い日には熱中症の危険が高まります。マラソン中に起きる頭痛は、実は熱中症の初期症状(Ⅰ度〜Ⅱ度)であるケースも少なくありません。
運動によって体内で発生した熱は、汗の蒸発や皮膚の血管拡張によって外へ逃がされます。しかし、大量の汗をかいて体液が減ったり、外気温が高すぎたりすると熱放散がうまく機能しなくなります。体温が体内にこもってしまうことで、脳の体温調節中枢に負担がかかり、頭痛や立ちくらみが発生します。
熱中症による頭痛の危険信号
頭痛に加えて、生あくびが出る、顔が火照る、めまいがする、体に力が入りにくいといった症状が出たら、熱中症の初期段階と考えられます。すぐに走るのをやめましょう。
「このくらいの暑さなら大丈夫」と過信して走り続けるのは非常に危険です。特にマラソン大会などのイベントでは体調の異変に気づきにくく、我慢して走り続けて重症化してしまうケースがあるため、早めの判断が大切になります。
肩こりや首の緊張から生じる緊張型頭痛

長距離を走っていると、足だけでなく上半身にも大きな負担がかかります。特にフォームが崩れて肩上がりの姿勢になったり、猫背のまま走り続けたりすると、首や肩周囲の筋肉がカチカチに強張ってしまいます。
この首や肩のコリが原因で発生するのが「緊張型頭痛」です。後頭部から頭全体にかけて、ギューッと締め付けられるような重苦しい痛みが特徴です。
緊張型頭痛を引き起こしやすい走り方の特徴
- 疲れてくると肩が上がって首がすくむ
- 顎が前に突き出たフォームになっている
- 腕振りで手に強く力が入りすぎている
- 着地の衝撃を首や背中で吸収してしまっている
私自身も長距離を走ると、30km手前あたりから疲れて肩に力が入ってしまう癖がありました。走り終わると首筋から後頭部にかけて重い痛みが残り、翌日までどんよりとした不快感が続くことが多かったです。
緊張型頭痛は血行不良によって筋肉内に疲労物質が溜まることで起こるため、頭部や首元を温めたり軽いストレッチを行ったりして緊張をほぐすことが回復への近道となります。
低血糖やエネルギー不足による頭の痛み

マラソンは膨大なエネルギーを消費する有酸素運動です。走るための燃料となる体内の糖質(グリコーゲン)が底をつくと、血液中の血糖値が下がり「低血糖」の状態に陥ります。
脳は基本的にブドウ糖を唯一のエネルギー源として使用しているため、血糖値が下がると真っ先にダメージを受けます。脳にエネルギーが行き渡らなくなると、警告信号として頭痛やめまい、集中力の低下、強い疲労感が引き起こされます。
ハンガーノック(空腹による動けなくなる現象)の前兆
マラソン界隈ではエネルギー切れをハンガーノックと呼びますが、頭痛や生あくび、手が震える感覚はその前兆です。走る前の食事や走行中の補給が不足していると起こりやすくなります。
朝食を抜いて朝ランに出かけたり、長距離練習で給食を怠ったりしたときに頭がボーッとして痛くなった経験がある方は、エネルギー不足が原因である可能性が高いでしょう。
危険な疾患が隠れている可能性のある頭痛

ほとんどのマラソンによる頭痛は脱水や筋肉の疲労、一時的な血管の拡張によるものですが、稀に重大な病気が原因で起こる頭痛も存在します。
特に注意が必要なのが「二次性頭痛」と呼ばれる、脳の血管や組織の異常によって発生する頭痛です。運動時の血圧上昇に伴い、脳動脈瘤の破裂(くも膜下出血)や脳出血、動脈解離などが誘発されるリスクがゼロではありません。
すぐに医療機関を受診すべき危険な頭痛の症状
- バットで殴られたような突然の激しい痛み
- 経験したことがないほど猛烈な頭痛
- 吐き気や嘔吐、意識が遠のく感じがある
- 手足のしびれ、麻痺、滑舌の悪さがある
- 視野が狭くなる、物が二重に見える
もし走っている最中にこれまで経験したことがないような激痛が突然走った場合は、絶対に我慢してはいけません。すぐに走るのを中断し、周囲の人に助けを求めるか救急要請を行ってください。「いつもの頭痛とは明らかに違う」と感じる直感は大切にするべきです。
マラソン中の頭痛を予防する対策と発生時の対処法
マラソン中や走った後に頭痛が起きてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。また、あらかじめ頭痛を防ぐためにはどのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、走行中の適切な応急処置から、日頃のランニングに取り入れられる予防法まで具体的に解説します。
走行中に頭痛が起きた時の応急処置と判断基準

ランニング中に頭痛を感じたら、第一に優先すべきなのは「無理をせずにペースを落とす、または立ち止まる」ことです。痛みを抱えたまま走り続けると、血流の増加や体温の上昇がさらに進み、症状が悪化する危険があります。
頭痛が起きたときの初期対応の流れを整理しておきましょう。
頭痛が起きた直後の応急処置ステップ
- 安全な場所に移動して走るのをやめ、日陰で休息をとる
- ウインドブレーカーのファスナーを開けたり帽子を外したりして熱を逃がす
- スポーツドリンクや経口補水液で水分と塩分を同時に補給する
- 首の後ろや脇の下などを冷やして体温を下げる
症状の種類に応じた見極めも重要です。ズキズキと脈打つような運動性頭痛や熱中症の疑いがある場合は、頭部や首元を冷やすことで血管を収縮させ、痛みを和らげることができます。一方で、首や肩のコリからくる締め付けられるような緊張型頭痛の場合は、首周りを優しくマッサージしたり温めたりする方が効果的です。
もし水分を補給して15分〜20分ほど静かに休んでも痛みが引かない場合や、歩くのも辛いほどの強い痛みに変わった場合は、その日のランニングは完全に中断してください。大会中であれば、迷わずボランティアや救護班に声をかけましょう。
レース前からの適切な水分補給と補給食の摂り方

脱水やエネルギー不足による頭痛を防ぐためには、走り始める前からの事前の準備が欠かせません。走る直前に大量の水分を飲んでも、体内に吸収されるまでには時間がかかります。
効果的な水分補給のやり方は「ウォーターローディング」と呼ばれる手法を取り入れることです。走る前日からこまめに水分を摂り、体内の水分量をしっかり満たしておきます。
| タイミング | おすすめの補給内容 | 意識するポイント |
|---|---|---|
| 走る前日〜当日朝 | 水、麦茶、経口補水液 | 一度に飲まず、コップ1杯分を数回に分けて飲む |
| 走行中(30分ごと) | スポーツドリンク、塩分タブレット | 喉が渇く前に100〜150ml程度をこまめに給水 |
| 走る1時間前〜走行中 | エナジージェル、バナナなど | 血糖値を維持しエネルギー切れを防ぐ |
特に汗を多くかく季節や長距離走の際は、水だけを飲むのは避けてください。体内の塩分濃度が下がって頭痛を招くため、塩分が含まれたスポーツドリンクや塩分サプリを併用するのが鉄則です。
フォーム改善で首や肩の負担を減らす方法

首や肩の力みからくる緊張型頭痛を未然に防ぐには、無駄な力が入らない効率的なランニングフォームを身につけることが効果的です。
走っている最中に肩が上がってしまうランナーは、知らず知らずのうちに上半身へ過度な緊張を強いています。時々、走リながら「肩をストンと落とす」動作を入れたり、手を軽くぶら下げて振ったりしてリセットする習慣をつけましょう。
リラックスして走るためのチェックポイント
- 手は強く握りしめず、卵を優しく包み込むようなイメージで握る
- 目線は遠く(10〜15m先)に向け、顎が前に出ないように引く
- 肩甲骨から腕を引く意識を持ち、肩の力を抜く
- 着地時に体が左右にブレないよう体幹をしっかり意識する
私も疲れてくると顎が上がって首の後ろが詰まる癖がありましたが、目線を少し下ろして肩の力を抜くことを意識し始めてから、走った後の首のこりや頭痛が劇的に減りました。フォームの意識ひとつで体への負担は大きく変わります。
ウェアやキャップで体温調節を意識するコツ

直射日光による頭部の過熱や、体温の上昇も頭痛の大きな原因となります。着用するウェアや帽子を工夫することで、熱中症や運動性頭痛のリスクを大幅に下げることができます。
日差しが強い日は、必ずキャップ(帽子)やサンバイザーを着用しましょう。キャップは直射日光から頭部を守り、頭皮の温度上昇を防いでくれます。
暑さ対策におすすめのウェア選び
- キャップは通気性と速乾性に優れたメッシュ素材を選ぶ
- 黒などの光を吸収しやすい色ではなく、白や淡い色の帽子を選ぶ
- ウェアは吸汗速乾性の高いランニング専用のものを着用する
- 首元を日光から守るネックカバーや日焼け止めを活用する
また、途中の給水所で頭や首の後ろに水をかける「打ち水」も非常に効果的です。首筋には太い血管が通っているため、ここを冷やすことで効率よく体温を下げ、頭痛の発生を抑えることができます。
マラソン後の頭痛を防ぐ正しいケアとリカバリー

走っている最中は問題がなくても、ゴールした直後や帰宅後に急に頭が痛くなることがあります。これは、走っている間に拡張していた血管がさらに一気に広がったり、走るのをやめたことで一気に疲労が表面化したりすることが原因です。
完走後のクールダウンを怠ると、急激に血流や体温が変化して頭痛を引き起こしやすくなります。走り終わったらすぐに座り込むのではなく、5分〜10分ほど軽めのウォーキングを行って徐々に心拍数を落としていきましょう。
走った後の効果的なリカバリー手順
- ウォーキングで少しずつ心拍数と血流を落ち着かせる
- 失われた水分・塩分・糖質(スポーツドリンクやプロテイン)を早めに補給する
- 汗をかいたウェアをすぐに着替え、体を冷やさないようにする
- 首や肩周りの軽いストレッチを行い、筋肉の緊張をほぐす
- ズキズキする頭痛がある場合は、頭部を冷やして静かな場所で横になる
走った後の体は想像以上にダメージを受けています。筋肉の修復と疲労回復を促すために、走った当日はぬるめのお湯に浸かってリラックスし、十分な睡眠時間を確保することが何よりの薬となります。
マラソン 頭痛に関するよくある質問(FAQ)
Q1. マラソン中に頭痛がしてきたら薬(鎮痛剤)を飲んで走っても大丈夫ですか?
A. 走っている最中に鎮痛剤を服用して走り続けるのは基本的におすすめできません。鎮痛剤によって痛みが麻痺すると、脱水症状や熱中症、筋肉の損傷といった体の危険信号を見逃してしまう恐れがあります。また、運動中の鎮痛剤服用は胃腸や腎臓に大きな負担をかけるリスクもあります。まずは走るのをやめて休息と水分補給を行いましょう。
Q2. 走った後に頭痛が起きたとき、温めるのと冷やすのはどちらが良いですか?
A. 頭痛のタイプによって対応が異なります。ズキズキと脈打つような痛み(運動性頭痛や熱中症)の場合は、血管が拡張しているため冷やすのが効果的です。アイスパックや冷たいタオルで頭や首筋を冷やしましょう。一方で、首や肩のこりからくるギューッと締め付けられるような痛みの場合は、温めて血行を良くすることで和らぐことが多いです。
Q3. 夏場だけでなく冬場のマラソンでも頭痛は起きますか?
A. はい、冬場でも頭痛は頻繁に起こります。冬は空気が乾燥しているため、自覚がないまま「くれぐれも脱水」に陥りやすいのが特徴です。また、寒い外気によって首や肩の筋肉が収縮し、緊張型頭痛を引き起こしやすくなります。冬場でもしっかり水分補給を行い、防寒対策をして首周りを冷やさない工夫が必要です。
Q4. マラソン後の頭痛はどのくらいで治まりますか?病院に行く目安は?
A. 通常の疲労や一時的な血管拡張による頭痛であれば、水分を摂って静かに休むことで数時間から翌日には落ち着くことがほとんどです。しかし、しっかり休んでも2日以上頭痛が続く場合や、激しい痛みが突然襲ってきた場合、吐き気や手足のしびれを伴う場合は、自己判断せずに医療機関(脳神経外科や頭痛外来など)を受診してください。
マラソンによる頭痛を乗り越えて快適に走ろう
マラソンを楽しむ上で頭痛は非常につらい悩みですが、原因を正しく理解していれば予防や対処法が見えてきます。
水分や塩分のこまめな補給、リラックスしたランニングフォームの意識、そして走った後の丁寧なケアを重ねることで、頭痛のリスクを大幅に減らすことができます。
自分の体の声にしっかり耳を傾けながら無理のないランニングを続け、マラソンによる頭痛をしっかり予防して、怪我なく笑顔でゴールを目指していきましょう。



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